ローカル線の旅

晩秋の装いの山々。もう裸になった木々に混じる透けるような赤や黄色の葉。
風が吹けば舞い散るだろう乾いた葉っぱの音。
時折日が射す遠山の枯れ野。にぎやかに乗り込む高校生の笑い声。
下りて静かになった車内に、今度はお年寄りが固まって座る。
携帯を打ち続ける女の子。睨みつけるように外を見ているサラリーマン。
黙々と駅弁を食べる人。無人駅。
沿線の家屋に干し柿と大根。畑には野焼きの煙。
澄んだ川を越え、トンネルをくぐり、海の側を、人家なき深山の中を、
ガタゴト電車は走り続けます。
旅というほどのことはないのですが、ローカル線に乗ってみたくなり
、乗りついで乗りついで気がつくとずいぶんと遠くへ来ていました。
外はもう真っ暗。列車に身をゆだね、大好きな晩秋を満喫しました。
帰らなくちゃ。

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