説明をさせていただいておりますが、
中には、この地域では普段からひと口もち膳のようなお餅を食べていると
勘違いなさる方もおいでのようでございます。
これは30年前の創業時にふじせいが考案したもので、
伝統的なもち料理の形式ではありません。
一関のもち文化について簡単にお話しますと、
婚礼や法事の席で振る舞われる「もち本膳」こそ、この地方独特のもの。
これは日本料理の最高の格式である懐石料理の一汁三菜を、
もち料理だけで調えたものです。
漆塗りの高脚御膳に、あんこ餅、料理餅、雑煮、大根なます、漬物が並びます。
最初になますを一口食べ、次はあんこ餅、料理餅、引き菜碗(雑煮)の順に食べます。
一定の形式や作法が決まっており、地域の伝承者へと受け継がれておりました。
もち本膳の席には、「おとりもち」という仕切り役(進行役)がいて、
口上を述べますので、その進行に従って食べていきます。
私も経験しましたが、想像以上に格式が高く緊張いたしました。
しかも、お餅の量がたっぷりでした~。(*_*;
そこでもっと気軽に、多彩な伝統もち料理を召し上がっていただきたいと、
考案したのが「元祖ひと口もち膳」でございます。
餅の大きさは3分の1にして、種類は3倍に。
伝統と革新は両輪。
伝統を知った上で、現代風もち料理を楽しくお召し上がりくださいませ。^^
なお、9種類はすべて伝統もち料理です。