小学生が養蚕農家で地元の伝統産業を学んだという記事で思い出しました。
20代の頃、訪問先で「蚕、見ていっか?」とおじさんに言われ
虫が苦手とも言えず、別棟に案内されると・・・。
いました、いました!真っ白い幼虫がいっぱい。
カシャカシャと音をたてながら
すごいスピードで桑の葉を食べています。
その姿は気持ち悪いどころか
可愛らしくかつ神々しい!
次に訪問したとき、幼虫は繭になっていて
繭が透けて幼虫の影が見えたのが、なんだか悲しくて。
初めて見た蚕は神秘的でした。
お蚕様(オカイコサマ)と呼ぶ気持ちが少しわかった気がしました。
三日三晩糸を掃き続け、成虫になることはない蚕。
数千年前、中国で飼育された後世界中に広まった
家蚕(かさん)は、絹糸を取るためにだけ育てられます。
生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化動物なそうです。
成虫になっても
食べ物を摂れず、寿命は10日ほどとか。
上の写真は成虫の姿です。
ちなみに、遠野物語にでてくる「オシラサマ」とは
蚕神のことだそうです。
*オシラサマは、東北地方で広く信仰されている家の神であり、蚕神とされる。
オシラサマは人形神で、ご神体は30センチほどの長さの桑の木で作られた二体一組の偶像。
そのお姿は馬頭、姫、男女、僧侶など、お顔は彫刻や墨書きなど様々である。
ご神体である桑の棒は、元々はオシラサマを宿らせる道具から変化したもの。